〜短編物語を贈ります〜
『羽を売り尽くしてしまった鳥』
どうやら僕は、何日か前の深夜に道を歩きながらスマートフォンのボイスメモに即興で物語を吹き込んでいたようです。
酔っていたのか、夢遊病のさなかであったのか、微塵も記憶はないのですが、機械の中に音声はあったので驚きました。
声がとても自分に似ていますが、果たして本当に自分で吹き込んだものかが定かではありません。だけれど、なんだか聴いているうちに登場人物に思いを馳せてしまい、人知れぬままにデータを消すのもなんだか残忍なような心持ちになり、こうして共有します。急ごしらえではありますが、少しだけ音楽も加えました。
風の音だとか、通り過ぎる自動車の音だとかが出入り自由な様子で居座り続けておりますし、また、録音も決してよくはないのですがその辺りは堪忍してください。
11分です。
一般公開記事なので住人以外の方もお楽しみいただけます。
眠る前など、想像力の自由なコンディションでお楽しみいただくのが良いかもと思います。
この物語がほんの少しでも、あなたの物語となりますように願いながら。
拓馬